お薬カレンダー制作のきっかけ
きっかけは、86歳の一人暮らしのおばあちゃんとの関わりからでした。
そのおばあちゃんを担当するケアマネージャーさんからの相談を受け、2週間に一度の金曜日に在宅訪問をすることになりました。
服薬支援を始めた当初は、何も問題なくお薬を飲んでいらっしゃると私は思っていました。
ある日の事。その週は予定が合わず前倒しで火曜日に訪問しました。
いつも金曜日の昼食後の薬までを壁掛け型の週間服薬支援カレンダーにセットしておいたので、その日の訪問時はあと3日分ほどカレンダーに薬が残っている予定でしたが、
すべて無くなっていたのです。
台所の引き出しやベッドの下など、家中を探しましたがありません。
本人に聞いても「よくわからない」「今日まではあったかもしれない」などのあいまいな答えばかり・・・。
それからというもの、原因を究明すべく、訪問以外の日にもお邪魔しましたが、同じように薬が無くなったり、部分的に無くなっていたりと薬の紛失が繰り返されました。
原因は、「薬の飲みすぎ」でした。
目の前に薬があると、ついさっき飲んだことを忘れて飲んでしまう。
おやつを食べた場合でも、食後と勘違いして薬を飲むこともあるようです。
私は、その出来事があるまでは「飲み忘れ」には注意をしていましたが、「飲み過ぎ」に関してはあまり意識していませんでした。
ただ、それ以後に担当した方にもその兆候があり、「稀」なケースではないのだと感じました。
この「飲み過ぎ」のケースに自分たちはどう対処したらいいのか、何か別の方法がないか。
薬剤師が正しくお渡しした薬で健康被害が出ることは、非常に残念です。
なんとか防ぎたい、解決したい!
そういう想いを持ちながら在宅業務に携わっていたある日のこと。ピンときました。
「日めくり型服薬支援カレンダー」のイメージ図がひらめいたのです。
ポイントは、
- ●卓上型であること
- ●日めくり型であること
- ●携帯出来ること
- ●セットする日数が自由自在であること
通販等でリングやプラスチック板、ねじやナットなどをかき集め試作品を作成。薬をセットするポケット本体部分は、以前手芸店を営んでいた私の母にイメージを伝えながら作成してもらいました。
試作品を作成して初めて気付くことも多々あり苦労しましたが、ワクワク感が上回っていました。子供の頃、プラモデルを作った時のように熱中しましたね。
特許を出願する際は弁理士の先生にも大変お世話になり、商品化を進める過程でも多くの人に助けて頂きました。助言も頂き感謝しております。
ありがとうございます。
今後「日めくり型服薬支援カレンダー」を使用することで、1人でも多くの患者様やご家族、
医療・福祉関係者の方々の支援とこれからの超高齢社会における一つの光となり社会・地域に貢献できる様、努力する所存です。
寄り添う医療・寄り添う介護の架け橋になれる企業を目指して・・・。